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プレマリッジ(結婚前)カウンセリング

プレマリッジカウンセリングとは、結婚前のカップルが受けるカウンセリングのことです。一般的ではありませんが、結婚前のカップルが相談に来られる機会は徐々に増えています。受けられる方の目的には以下のようなものがあります。

  • お互いをもっと理解したい。
  • 一緒に余暇を過ごすのは楽しいけれどシリアスな話がうまくできない。
  • 結婚してから「こんなはずじゃなかった」とならないか不安。
  • 「今でも、うまくコミュニケーションできないときがあるのに」と不安。
  • ちょっとした価値観の違いを感じることがあって不安。
  • 必ず起きるであろう葛藤を乗り越えるためのコミュニケーションを知りたい。
  • 今のギクシャクした関係を何とかしたい。結婚を考えるのはそれから。
  • 離婚の3割が結婚5年未満と聞いている。そうならないように対処しておきたい。

新婚の時期にカウンセリングに来られるカップルは一定数いらっしゃいます。周囲からたくさんの祝福を受けたでしょう。うまくいかないからといって、すぐに離婚というわけにはいかないでしょう。お話を聴くカウンセラーがつらくなることもあります。

予防医学には3つの段階があります。一次予防(予防・病気にならない取り組み)、二次予防(早期発見・早期回復)、三次予防(回復・リハビリ・社会復帰)の3つです。数字の小さいうちに取り組むのが望ましいです。数字が大きくなるほど回復には多くの労力と時間を要します。

人間関係でも仕事でも同じです。一次予防が最も小さな労力と少ない時間で大きな成果を得られます。そのような意味でもプレマリッジ(結婚前)カウンセリングには意味があります。

夫婦とは

最高裁判所の司法統計年表によると、離婚調停・裁判の申し立て理由の第一位は「性格の不一致」です。離婚に至るほどの「性格の不一致」が起きることを理解するには、夫婦とは何ぞやを知ることが役に立つと思います。

異文化で育った2人

家庭とは一つの国、一つの文化であると言えます。夫・妻が育った家庭には、それぞれ固有の文化があります。それぞれの固有の文化がお互いの脳内・体内に血液のように流れています。その2人が夫婦になって、新しい国・文化を創っていくスタートが結婚です。軋轢が起きるのは当然といっていいかもしれません。

それぞれの役割

夫・妻それぞれに複数の役割があります。夫と妻。父と母。(親にとって)息子と娘。パートナーの実家との関係における役割。他にも、上司、部下、同僚、保護者、ママ友、等々。色々な役割があります。

夫や妻の定義や役割は、それぞれが育った家庭で異なるかもしれません。細かいところまで比較すると、まったく同じことはあり得ないでしょう。明らかな違いであれば普段から認識しているでしょう。小さな違いは気にかけていないかもしれません。小さな違いが大きな葛藤の種になることがあります。

役割には優先すべきタイミングとそうでないタイミングがあります。そのタイミングが夫婦でうまく噛み合わないことがあります。早く子どもがほしい妻。5年間は経済的な基盤を確立する期間にしたい夫。そのような違いも葛藤の種になりえます。

魅力と不満はコインの裏表

結婚前は「自分の考えをしっかり主張できる」のが魅力と感じていました。結婚生活が始まると「我が強くて他者の話を聞かない」と感じるようになってしまいました。文脈が変わると意味が正反対に変わってしまうことがあります。

論理VS感情

理屈っぽい男性に感情的は女性。よく言われることですが、経験上その傾向はあると思います。ただし、まったく逆のケースもあります。論理優位と感情優位に良し悪しはありません。問題は会話が噛み合わないときです。互いに異なるチャンネルで話すので噛み合いません。話せば話すほどヒートアップします。

以上のような違いを持つ2人が新しい国・文化を創っていくわけですから、何らかの葛藤が起きるのは当然のことと言えます。休日に楽しい時間を過ごすのがメインの結婚前とは違います。同じように行かなくて当然と言えます。

夫婦の危機を引き起こすもの

夫婦の危機の危機を引き起こすのは、仕事や実家など家庭外との関わりと、家族の発達段階で起きる変化です。これだけでは何のことかわかりません。かみ砕いて説明します。

家庭外との関わり

趣味やそこでの仲間がとても大切な夫。妻は常に夫婦ありき。スレ違いが起きやすいのは想像するにむずかしくありません。他には、仕事に対する考え、友人との関係性、実家との関係性などの違いがあげられます。

ライフステージの移行期

個人のライフサイクル論を提唱したのはエリクソンですが、カーターとマクゴルドリックは家族にもライフサイクルがあるとしました。個人または家族の人生を複数のステージに分けて、ステージに固有の発達課題があるとする論です。発達課題をクリアすることによって個人または家族が成長します。詳しくは以下のページをご覧下さい。

家族ライフサイクルと夫婦の危機
人生の発達段階における課題と危機発達心理学者のエリクソンは人生を8つのステージに分け、それぞれのステージにおける発達課題と、達成できないときに陥る危機を示しました。心理社会的発達理論と言います。青年期の発達課題である「アイデンティティ(自我

危機が起きやすいのはライフステージの移行期です。例えば、新婚時代の子どもがいない夫婦のステージから、子どもが生まれて乳幼児を育てるステージに移行しました。夫婦には親という新しい役割が加わりました。役割が加わることによって夫婦に変化が求められます。相手が思ったように変わってくれないなどの不満が生じやすくなります。

解決するつもりがかえって悪化

問題が起きると解決しようと試みます。その解決の試みがかえって問題を維持・悪化させることがあります。家族(心理)療法では「偽解決」と呼ぶことがあります。ここでは偽解決が起きる要因を2つ紹介します。

論理VS感情

先に紹介した論理優位と感情優位のスレ違いです。以下のような会話がそうです。

  • 妻「ママ友とランチに行って○○って言われた。ショック。」
  • 夫「次回から参加するのをやめたらいいんじゃない。」
  • 妻「(そんなこと言ってるんじゃない…)」

感情優位な妻は「つらかったね」と共感的な関わりを求めていたのですが、論理優位な夫は解決策を提示しました。このようなスレ違いは最近ではよく知られるようになりました。しかし、わかっているだけでは中々うまく対処出来ないようです。

カップルダンス

カップルに起きているコミュニケーションの悪循環のことをカップルダンスと言います。コミュニケーションとは会話だけではなく、身振り手振りや声の口調など非言語的なものも含みます。家族療法では、すべての相互作用をコミュニケーションと捉えています。

カップルダンスには5つのパターンがあります。それぞれを紹介します。

衝突のダンス

お互いが自分を正当化して相手を責めるパターンです。「変わるべきは相手だ」とお互いが思っています。カウンセリングルームで非難の応酬が始まるのはこのパターンであることが多いです。その様子を見ていると、問題解決より相手を負かしたい欲求が強いのではと感じることもあります。

距離を取るダンス

お互いに言いたいことを自分の胸の内にしまい込んで、気持ちや考えを率直に伝えないパターンです。衝突のダンスの逆です。一緒にいる時間を減らしたり、物理的に距離を取ったりします。一見仲良く見えても冷戦状態のようになっていることがあります。

追跡者・回避者のダンス

問題や葛藤が起きたとき、一方が相手を追いかけ、他方が逃げるパターンです。追いかける方は自分の欲求を満たすように強くパートナーに求めます。逃げる方は距離を取ることで自分を守ろうとします。

過剰機能・過小機能のダンス

しっかりもので世話役(過剰機能)となっている側が、世話される側(過小機能)を支えている関係です。共依存的な関係です。共依存とは、依存する対象が必要な人と、自分に依存する対象を必要とする人の関係です。

三角関係化のダンス

夫婦・カップルの葛藤に第三者を巻き込むパターンです。最も巻き込まれやすいのは子どもです。母親が子どもと密着関係となり、母親・子ども対父親という2対1の敵対関係を作るのがよく見られるパターンです。第三者は実家や浮気相手のこともあります。仕事や趣味など人間以外のこともあります。

新しい家庭(国・文化)を創っていくコミュニケーション

夫婦が一つになって新しい家庭を創っていくには、違いを乗り越えるコミュニケーションが必要です。カップルカウンセリングで行われることの多くはコミュニケーションの支援です。プレマリッジ(結婚前)カウンセリングでも、葛藤が生じたとき、お互いが納得できる着地点に到達するためのコミュニケーションを支援します。

家族療法を理論的背景に持つカウンセラーは、「問題のある人はいない。問題をつくるシステム(家族・夫婦・カップルなど)がある」と考えます。システムに変化を加えることによって解決の構築を目指します。

カップル2人で受けていただくのが原則ですが、事情がある方は相談していただければ1人でも承ります。ZoomやSkypeなどのオンラインツールを用いて行うことも可能です。妻とカウンセラーがカウンセリングルームにて、単身赴任の夫がZoom等にて面談を行うことも可能です(実績ありです)。

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