夫婦・カップル関係

夫婦の支援にもコーチングを

カウンセリングとは

カウンセリング(counseling)を直訳すると「相談」です。エステ、化粧品、英会話教室などで購入前にカウンセリングと称する相談を受けられるところがあります。カウンセリングという言葉は適用範囲がとても広いです。

エステなどの相談をカウンセリング、心理的援助を心理カウンセリングと表記すればスッキリしそうですが、心理を省略するのが一般的なのでそれに倣います。以下、「カウンセリング」は「心理カウンセリング」を意味します。

カウンセリングの一般的な定義は以下となります。

主に対話を通して、悩みや問題の解決、心理的な成長を援助すること

この定義を「広義のカウンセリング」と呼ぶことにします。

カウンセリングは職業相談や学生相談から始まりました。学校生活への適応などの心理的援助も含みます。主に心理的健康度の比較的高い人を対象とします。この定義を「狭義のカウンセリング」と呼ぶことにします。

対話による心理的援助には「カウンセリング」の他に、「心理療法」と「コーチング」があります。「広義のカウンセリング」には、「狭義のカウンセリング」「心理療法」「コーチング」の3つが含まれると考えることができます。

心理療法とは

「心理療法」には3つの大きな学派と、それ以外の多数の学派があります。3大学派の1つはフロイトの精神分析です。もう1つは行動療法です。いずれも精神疾患の「治療」を目的として生まれました。

3大学派の最後の1つは人間性心理学です。先の2つが疾患という負の側面に焦点を当てるのに対して、人間性心理学では人の肯定的側面に焦点を当てます。人間性心理学を代表する来談中心療法では、「人は必要な環境が整えば、自然に自己実現に向かう。カウンセラーの役割はその環境を整えること」と考えます。

「(広義の)カウンセリング」=「(狭義の)カウンセリング+心理療法」

「カウンセリング」と「心理療法」には重なる部分があり、明確に線引きできるものではありません。現実には「(広義の)カウンセリング」=「(狭義の)カウンセリング+心理療法」の意味で使われています。個人的には(広義の)カウンセリングには、コーチングも含まれると考えています。

コーチングとは

「コーチング」と「カウンセリング」(または「心理療法」)との違いは『テーマ』と『焦点の当て方』です。

「コーチング」のテーマは『目標達成』です。「カウンセリング」(または「心理療法」)のテーマは悩みなどの『問題解決』です。

「コーチング」では主に、『現在から未来』に焦点を当てます。

目標(未来)を明確にします。現在を把握して目標とのギャップを明確にします。ギャップを埋めて目標に到達するための行動を計画を作ります。このサイクル(コーチングサイクルやGROWモデルなどと呼ばれます)を繰り返して目標に到達します。

「カウンセリング」(または「心理療法」)では主に、『現在と過去』に焦点を当てます(解決志向アプローチのように未来に焦点を当てる心理療法もあります)。

悩みなど問題が大きくて感情的に混乱しているとき、未来に目を向けるのは困難です。気持ちや考えを整理して心を整えることから始めます。このとき、現在と過去について語られるのがほとんどです。

解決の形は様々です。整理してみると、問題と思っていたけど大したことではない、と感じて解決というケースもあります。整理が済んでから、解決への具体的な行動へ向かうケースもあります。

整理すると以下のようになります。

  • コーチング:テーマ『目標達成』、焦点『現在から未来』
  • カウンセリング:テーマ『問題解決』、焦点『現在と過去』

夫婦カウンセリングにはコーチングスキルも必要

カウンセリング(または心理療法)にて問題の解決が見えてくると、より良くなりたいというコーチング的な支援を希望されることがあります。一方、コーチングを希望されているけれど、カウンセリングが必要なケースもあります。

カウンセリングだけをやっていた頃は、コーチング的な支援が望ましいと感じても、現在から未来に焦点を当てるコーチング志向に切り替えるのが困難でした。カウンセリングもコーチングもトレーニング積み重ねて習得するものです。

ひどく混乱している、悲しみや怒りの感情に包まれているときには、未来を描くことが困難です。このような状態の人にコーチングを行うと、さらに悪化させてしまうことがあります。このような状態の人をアンコーチャブルと呼びます。アンコーチャブルな人を支援できるのはカウンセラーです。

コーチングのトレーニングを始めて、支援の幅が広がっているのを感じています。夫婦関係の支援を求めて来談される方は、カウンセリング領域の方もコーチング領域の方もいらっしゃいます。特に夫婦の支援においては、両方が使えることが好ましいと感じています。

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