昨日は、国際ブリーフセラピー協会カウンセリング・オフィス東京のライブスーパービジョンの定例会でした。実際にカウンセリングを行いながら、スーパーバイザーの指導を受けるなどの形式で技量の向上を図ります。ケースを担当する、または他の担当者のケースの観察をする、スーパーバイザーや他の研究員からフィードバックを得ることによって自身の向上に取り組みます。
ブリーフセラピーとは心理療法の学派の一つであり、心理療法の名称でもあります。短期療法と訳されます。
今年で4年目の参加となります。私は一人で心理相談室を運営しているため、普段は一人で仕事をしています。一人職場には、他者に気兼ねしなくて良いという精神衛生上のメリットはあります。一方で、独善的になりやすい、独りよがりに陥っても自覚しにくいというデメリットもあります。そのデメリットを補い、質の維持向上を図るには、スーパービジョンへの参加は必須です。
国際ブリーフセラピー協会カウンセリング・オフィス東京のライブスーパービジョンは、複数のスーパーバイザーによって運営されており、複数の研究員が参加しています。様々な分野で活躍されているスーパーバイザー・研究員からの指導・フィードバックを得られるのは大きなメリットであり、なくてはならないものになっています。
このような研修を受けた、このようなワークショップに参加した、という類いの発信はクライエントさんの役に立つものではなく、カウンセラーの自己顕示欲でしかないと思っていたので、これまで発信することはありませんでした。しかし、カウンセラーの興味や学びの対象を発信することは、カウンセラーを探している人には有益な情報となる(こともある)とある人から言われて、今回発信しようと思ったわけです。
今回の個人的な学びの1つは「常識」でした。
私は「常識」という言葉にネガティブな印象を持っています。会社員時代に上司から「そんなこと常識だろう」「普通、○○でしょ」と叱責されたなどの経験や、同じ業界でも会社が変われば常識が違うことがある、という経験によるものです。
また、若い頃に企業向けセミナーや自己啓発セミナーに通っていた時期がありました。そこに集まる人たちは、いわゆる「普通」の枠にとらわれない、個性的な方々が多くいました。常識より自分の感覚を大切に、という空気が漂っていて、知らず知らずのうちにその影響を受けたということもあります。
「常識とは18歳までに集めた偏見のコレクションである」。アインシュタインの名言とされている言葉があります。私はその言葉に共感しています。常識に凝り固まるのは柔軟性に欠ける。変わっているは褒め言葉。そのような感覚で生きてきたため、物事を考えるとき、「常識」や「普通」を判断軸にすることが苦手です。
クライエントさんは、ご自身の困りごとをお話しになります。私たちカウンセラーは、お話を伺いながら、この人はどのような環境に、どのような状況にいらっしゃるのだろうといったことも考えます。なぜなら、同じ出来事が起きていても、背景が変われば、その出来事の意味が変わってくるからです。サポートの方向性も変わってくるからです。
カウンセラーが発する言葉・質問は全て意図があるものでなければなりません。限られた時間で必要な情報を得て、有効な介入を行うためです。クライエントさんのお話をすべてにわたって聞くことはできない以上、今最も聞くべきこと、最も必要な情報は何かを考えて質問します。その判断軸の1つは常識です。常識とは、普通とは違ったことが起きているなあという感覚であり、背景に重要な情報があるかもしれないというサインです。
私は常識や普通という感覚をスルーしてしまう傾向があります。その傾向は重要な情報を引き出す入り口を見逃してしまうことにつながりかねないと思います。私が常識人になるかどうかは分かりませんが、常識をスルーするのではなく、それはカウンセリングに必要なツールであるという認識を持って、大切にする。そのような姿勢で日々のカウンセリングに臨もう、そのような学びを得た時間でした。

