セックスレス改善のカウンセリング

性の問題は、夫婦だけで解決しようとすると感情がぶつかり合い、かえって溝が深まってしまうことがあります。

「セックスレスで悩んでいるけれど、誰にも相談できない……」
「夫婦の関係は悪くないのに、なぜかセックスがなくなった」
「パートナーと話し合いたいけれど、話題にすると関係が悪くなる」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。

セックスレスのカウンセリングは、無理にセックスを再開させるものではありません。セックスがないことで何に困っているのか、二人の間でどのようなやりとりが繰り返されているのかを整理し、関係を変える方法を一緒に考える場です。

当カウンセリングルームは、大阪・吹田で15年にわたり、セックスレスや不倫・浮気など、夫婦やカップルの問題に取り組んできました。

このページでは、セックスレスの原因と改善方法、カウンセリングで行うことについて説明します。

大阪・江坂で取り組むセックスレスの改善

セックスレスの悩みは、単に性行為がないだけではなく、夫婦の関係性の問題としてあらわれることがあります。

どの程度の頻度を望むのか、性行為にどのような意味を感じるのかは、夫婦によって異なります。二人とも困っていなければ、性行為がないこと自体を問題にする必要はありません。

一方、どちらか一方が「このままではつらい」と感じている場合は、夫婦の課題として考える必要があります。

セックスレスに至る経緯は様々です。結婚当初から問題を感じていたケースもあれば、育児、不倫、仕事の負担、加齢などをきっかけに、少しずつ距離が生まれたケースもあります。

原因としては、身体的・心理的・関係的な要因があげられます。実際には、複雑の要因が絡み合っていることが多く、原因は夫婦の数だけあると言えるかもしれません。

また、セックスレスを解消しようとパートナーに強く求めた結果、かえって関係がぎくしゃくすることもあります。

「話し合ってセックスを再開したものの、気持ちが通わず、以前より苦しくなった」というケースもあります。

このように、解決しようとした取り組みが、かえって問題を深めてしまうことを、MRIブリーフセラピーでは「偽解決」と呼びます。

セックスは、単なる行為ではなく、気持ちや親密さを伝えるコミュニケーションの一つでもあります。そのため、セックスだけを切り出して変えようとするのではなく、夫婦関係全体を見直すことが大切です。

当カウンセリングルームでは、こうした視点からセックスレスの改善を支援しています。

セックスレスとは、どのような状態を言うのか

セックスレスとは、特別な事情がないにもかかわらず、1か月以上にわたって性行為や性的接触がなく、その後も長期間続くことが予想される状態を指します(日本性科学会の定義)。

ただし、これはあくまで一つの目安です。

「1か月は短い」と感じる人もいれば、「1か月は長い」と感じる人もいます。望ましい頻度や満足度は、夫婦やカップルによって異なります。

期間だけで判断するのではなく、二人が現在の状態をどのように感じているかが重要です。どちらかが性的なつながりを求めているにもかかわらず、それがかなわずに苦しんでいる場合は、期間にかかわらずセックスレスの問題として考えることができます。

参照一般社団法人 日本性科学会

セックスレスによって生じる問題

セックスレスは、単に性行為があるか、ないかという問題にとどまりません。人によっては、心や夫婦関係にさまざまな影響が生じます。

  • 拒絶感:「自分は受け入れられていない」と感じ、関係への不安が強まることがあります。
  • 自尊心の低下:性的に拒まれた経験が、自分の魅力や価値への自信を揺るがすことがあります。
  • 関係性の不安:「このままで夫婦関係は大丈夫なのか」と、将来への不安が強まります。
  • 孤立感:「誰にも相談できない」「理解してもらえない」と感じて、一人で問題を抱え込んでしまうことがあります。
  • 罪悪感:「自分に原因があるのではないか」と自分を責めてしまう方もいます。
  • 信頼感の低下:会話やスキンシップが減ることで、心のつながりにも距離が生まれることがあります。

こうした気持ちから、相手への働きかけが強くなったり、反対に会話や触れ合いを避けたりすることがあります。その結果、さらに関係が悪化する悪循環が生まれることがあります。

セックスレスの原因は?

セックスレスの原因は、大きく①身体的要因、②精神的要因、③関係性の問題の3つに分けられます。

加齢・疲労・ホルモン変化などの身体的要因、ストレス・抑うつ・トラウマなどの精神的要因、そしてふたりの間に生じた距離やわだかまりが絡み合っていることが多いです。どれか1つが原因というよりも、複数の要因が重なっているケースが多いです。

原因は大きく、身体的要因、精神的要因、関係性の問題の3つに分類できます

身体的な原因

  • 疲れがたまっている
  • 加齢やホルモンバランスの変化
  • 慢性疾患や服薬の影響
  • 手術や外傷の影響

こうした場合、医療機関での診察が必要なこともあります。医療のサポートを受けることで、安心感が生まれたり、自信の回復につながることもあります。

心の状態に関する原因

  • うつ病や不安症など心の病
  • 日々のストレスや不安
  • 体型や外見へのコンプレックス
  • 性的なトラウマの影響
  • 心の距離や感情的な不一致

うつ病や不安症などが疑われる場合は、医療機関への相談が必要になることがあります。カウンセリングを併用し、ストレスや夫婦関係について整理することもできます。

パートナーとの関係に関する原因

セックスレスにおける関係性の問題は、以下の要因があげられます。

  • 会話が減ってしまった
  • 気持ちのすれ違い
  • 不公平・不平等感
  • 性格の不一致
  • 過去の不信や傷つき

セックスレスによって関係が悪くなることもあれば、関係の悪化がセックスレスとしてあらわれることもあります。どちらか一方の因果関係だけでは説明できないケースが少なくありません。

原因は夫婦の数だけある

セックスレスの原因は、身体的・心理的・関係的な要因に分けて考えることができます。しかし、実際にはこれらが複雑に絡み合っているケースがほとんどです。

同じ状況でも、ある夫婦には深刻な問題となり、別の夫婦には問題とならないことがあります。

そのため、原因を一つに決めつけることはできません。

カウンセリングでも、「本当の原因」を一つだけ探し出すことを目的にはしません。何が起きているのかを整理し、現在変えられることを一緒に考えます。

同じようなパターンにお心当たりがある方は、一度ご相談下さい。お一人でも、ご夫婦でも承ります。

年代別のセックスレス

同じセックスレスでも、中高年夫婦と若い夫婦では、異なる原因によることが多いです。

中高年夫婦におけるセックスレス

  • 更年期や体の変化による性欲の変化
  • 生活の変化(退職・子どもの独立など)
  • 長年の結婚生活の中での感情的な距離感
  • 健康上の問題や介護の負担

セックスの有無がすぐに問題というわけではありません。互いの気持ちを丁寧に確認することが、良い関係づくりの第一歩になります。

若い夫婦におけるセックスレス

  • 仕事や育児のストレス・疲労
  • 産後の心身の変化
  • セックスに関する不安や誤解
  • 自信のなさや性的な不一致

育児中の夫婦などは、特に一時的なセックスレスになることもあります。話し合い方や日常の触れ合いを見直すことが、改善のきっかけになる場合があります。

関係性の問題がセックスレスを引き起こすのは中高年夫婦と同様ですが、原因が仕事や育児ストレスによるものなど、質が異なることが多いです。

「偽解決(ぎかいけつ)」のリスク

偽解決とは、問題を解決しようとして行ったことが、かえって問題を維持したり、悪化させたりする状態です。MRIブリーフセラピーで用いられる考え方です。

セックスレスでは、次のような偽解決が起きることがあります。

  • 何度も理由を問いただす
  • 愛情があるなら応じてほしいと求める
  • 日時や回数を一方的に決める
  • セックスができれば夫婦関係も元に戻ると考える
  • 応じないことを愛情のなさと結びつける
  • 断られることを避け、会話や触れ合いまで減らす

たとえば、無理にセックスを再開しても、満足感が得られないことがあります。

誘った側は、「応じてくれたのに気持ちが感じられない」と不満を持ちます。誘われた側は、「無理をして応じたのに、さらに求められる」と負担を感じます。

このように、二人とも関係をよくしようとしているにもかかわらず、その方法が組み合わさることで問題が続くことがあります。

セックスレスを改善するには、セックスそのものだけでなく、二人の間で繰り返されているやりとりを見直す必要があります。

セックスレスの改善に向かって

セックスレスの改善方法は、夫婦の状況によって異なります。

一般的には、次のような取り組みが考えられます。

話し合い方を見直す

気持ちを伝えることは大切ですが、何度も同じ話を繰り返すと、話し合いそのものが負担になることがあります。

相手を説得することよりも、

  • 自分が何につらさを感じているのか
  • 何を求めているのか
  • 相手は何に負担を感じているのか

を整理することが大切です。

セックス以外の関係にも目を向ける

セックスだけを変えようとすると、かえってプレッシャーが強くなることがあります。

会話、一緒に過ごす時間、日常的な気遣い、性的な意味を持たない触れ合いなど、二人が安心してつながれる方法を探します。

心身の状態を確認する

疲労、睡眠不足、仕事のストレス、育児負担、服薬、更年期、痛みなどが影響していることがあります。

身体的な問題が考えられる場合は、医療機関への相談も検討します。

二人に合った目標を考える

すべての夫婦にとって、セックスの再開や頻度の増加が唯一の解決とは限りません。

何が変われば、今よりもよい関係になったと思えるのかを、二人の状況に合わせて考えます。

カウンセリングを利用する

夫婦だけで話し合うと、誘う側と拒否する側に分かれ、同じやりとりを繰り返すことがあります。

カウンセリングでは、第三者が間に入り、何に困っているのか、どのような悪循環が続いているのかを整理します。

カウンセリングでは何をするのか

セックスレスのカウンセリングでは、セックスの回数を増やすことだけを、最初から目標にはしません。

まず、セックスがないことで、誰が、何に困っているのかを整理します。

性行為そのものを求めていることもあれば、次のようなことが悩みの中心になっている場合もあります。

  • 拒絶されたつらさをわかってほしい
  • 愛情を確かめたい
  • パートナーから必要とされていると感じたい
  • 夫婦としてのつながりを取り戻したい
  • プレッシャーから解放されたい
  • 相手を傷つけずに自分の気持ちを伝えたい

同じセックスレスでも、困っていることは人によって異なります。

一般的な夫婦像を基準にするのではなく、その夫婦にとって何が変わればよいのかを一緒に考えます。

初回カウンセリングで確認すること

初回では、セックスの回数や期間だけをお聞きするのではありません。

主に、次のようなことを確認します。

  • どちらが、どのようなことに困っているのか
  • これまで夫婦で何を話し合ってきたのか
  • これまで何を試してきたのか
  • 話し合うと、どのようなやりとりになるのか
  • 問題が比較的弱い場面はあるか
  • 以前はどのような関係だったのか
  • 何が少し変われば、相談が役立ったと思えるのか

最初から明確な目標が決まっていなくても構いません。

「セックスを再開したいのかわからない」「夫婦関係を続けるか迷っている」という段階からでも、話を整理できます。

夫婦の目標が違っていても相談できる

夫婦で同じ目標を持っていなくても、相談を始めることはできます。

一方はセックスを再開したいと考え、もう一方はプレッシャーから解放されたいと考えている場合があります。

一方は夫婦関係を修復したいと考え、もう一方は、今後の関係を整理したいと考えていることもあります。

カウンセリングでは、最初から二人の意見を一致させようとはしません。

それぞれが何を望み、何に困っているのかを確認します。目標の違いそのものを、話し合いの出発点にします。

どちらが正しいかを判断する場ではない

カウンセリングでは、誘う側と拒否する側のどちらが正しいかを判断しません。

誘う側に我慢するよう求めたり、拒否する側にセックスを受け入れるよう説得したりする場でもありません。

誘う側には、拒絶されたつらさや、愛情を確かめたい気持ちがあるかもしれません。

拒否する側には、疲労、痛み、プレッシャー、過去の傷つき、夫婦関係への不満などがあるかもしれません。

どちらか一方を問題とするのではなく、それぞれの困りごとを確認します。

そのうえで、二人の間で何が繰り返されているのかを整理します。

セックスレスが「問題」とは、どういうことか

セックスレスの何が問題なのかは、夫婦・カップルによって異なります。

性行為という行為そのものがないことが問題なのでしょうか。

それとも、セックスレスによって失われているものが問題なのでしょうか。

たとえば、

  • 親密さ
  • 愛情を確かめる機会
  • 必要とされている感覚
  • 信頼できる相手とのつながり
  • 安心して相手に近づける感覚

などです。

心理学では、信頼できる相手とのつながりによって安心を得ようとする心の働きや行動を「アタッチメント」と呼びます。

もともとは、子どもが養育者に安心を求める関係を説明する概念でした。現在では、大人の恋愛関係や夫婦関係にも関係するものとして考えられています。

「性行為がない」という事実は同じでも、そこに感じる意味と苦しさは人によって異なります。

カウンセリングでは、まず「セックスレスの何がつらいのか」を整理します。

参考アタッチメントと夫婦関係

本人も気づいていない不満やわだかまりがある

パートナーに対する違和感、わだかまり、不満があると、性的な気持ちが起こりにくくなることがあります。

本人が大きな不満として自覚しているとは限りません。「そんな小さなことは関係ない」と考えている出来事が、気持ちの距離に関係している場合もあります。

たとえば、次のようなケースがありました。

結婚したからには家庭を第一にしなければならないと考え、友人や職場の人との付き合いを自ら減らした方がいました。

本人に強い不満の自覚はありませんでしたが、次第に元気がなくなり、夫婦の性的な関係もなくなっていきました。

パートナーにそのことを話すと、「友人との付き合いをやめてほしいとは思っていなかった」と言われました。パートナーも、本人が不満を抱えていることには気づいていませんでした。

何に困っているのかが、当事者にもはっきり見えていないことはめずらしくありません。

「日を決める」取り組みがうまくいかない理由

関係の緊張やプレッシャーが背景にある場合、「〇日に必ずしよう」と予定を決める方法が、かえって負担になることがあります。

日を決める

日が近づくにつれて気持ちが重くなる

その日にうまくできない

改めて日を決める

失敗した経験によって、さらに気持ちが重くなる

ますますセックスがむずかしくなる

解決しようとした取り組みがプレッシャーとなり、問題を維持する。これも偽解決の一つです。

カウンセリングでは、「日を決めることが正しいか、間違っているか」を一律に判断しません。

その夫婦にとって、その方法が役立っているのか、それとも負担を増やしているのかを確認します。

二人の間で繰り返される悪循環を整理する

セックスレスでは、誘う側と拒否する側の間に、次のような悪循環が生じることがあります。

誘う側が不安になり、何度も気持ちを確認する

誘われる側はプレッシャーを感じ、避ける

避けられた側は、愛情がないのではないかとさらに不安になる

不安から、より強く答えや行動を求める

誘われる側は、さらに距離を取る

この場合、どちらか一方が悪いわけではありません。

誘う側は、関係を取り戻そうとしています。拒否する側は、自分を守ろうとしています。しかし、その二つの対応が組み合わさることで、問題が続いています。

ブリーフセラピーでは、「なぜこうなったのか」という原因だけを追いかけるのではなく、現在どのようなやりとりが繰り返されているのかを整理します。

そのうえで、悪循環の一部を少し変える方法を考えます。

この視点は、ブリーフセラピーで重視される「問題を維持している悪循環」と「これまでの解決努力」を確認する考え方に基づきます。

うまくいく「例外」に着目する

解決志向アプローチでは、問題が比較的弱い場面や、以前より少し楽に過ごせた場面に注目します。

たとえば、次のような場面です。

  • セックスを意識しなければ、自然に触れ合える
  • 問題について話さない日は、穏やかに過ごせる
  • 旅行や外出のときは、普段より会話が増える
  • 仕事の負担が少ない時期は、相手に近づきやすい
  • 責める、責められるという形ではなく、落ち着いて話せる
  • 性的な接触ではなくても、一緒にいる安心感がある

こうした場面には、夫婦関係を変える手がかりがあります。

すでにできていることを見つけ、それを少し増やせないかを考えます。

カウンセリングで何が変わるのか

カウンセリングによって変わるのは、セックスの有無だけではありません。

セックスレスの何が問題なのかが整理される

「セックスがないことがつらい」と感じていても、そのつらさの内容は人によって異なります。

拒絶されたと感じることがつらい人もいます。愛情を確かめられないことが不安な人もいます。夫婦として必要とされていないと感じ、自信を失っている人もいます。

何に困っているのかが整理されると、セックスの再開だけに解決を求めなくてよい場合があります。

相手の反応の見え方が変わる

拒否を「自分への愛情がない証拠」と受け止めていた方が、パートナーの疲労やプレッシャーを理解できることがあります。

反対に、誘いを「自分の気持ちを無視した要求」と受け止めていた方が、相手にとっては親密さを求める行動だったと理解することもあります。

相手の行動を肯定する必要はありません。しかし、行動の意味が一つではないとわかることで、これまでと違う対応を選びやすくなります。

責めずに話せることが増える

セックスについて話すたびにケンカになると、夫婦はその話題自体を避けるようになります。

カウンセリングでは、すぐに結論を出そうとせず、それぞれが何を感じているのかを整理します。

責めることと我慢すること以外の話し方を探します。

親密さを確かめる方法が増える

親密さとは、セックスだけを意味するものではありません。

二人でゆっくり話すこと、手をつなぐこと、一緒に出かけること、相手から気遣ってもらうことでも、つながりを感じる人がいます。

セックス以外の親密さが増えることで、性的な関係に対する緊張が弱くなる場合があります。

夫婦に合った着地点を考えられる

すべての夫婦にとって、セックスの再開が唯一の解決とは限りません。

  • セックスを再開したい
  • 性的な触れ合いの範囲を二人で考えたい
  • 頻度よりも、お互いの気持ちを理解したい
  • 性的な関係を持たない夫婦関係について話し合いたい
  • 今後の夫婦関係そのものを考えたい

夫婦によって目標は異なります。

カウンセラーが目標を決めるのではなく、二人にとって納得できる関係を一緒に考えます。

変化は段階的に現れることがある

カウンセリングを始めても、すぐにセックスが再開するとは限りません。

最初の変化は、これまで避けていた話題について少し話せるようになることかもしれません。

次に、相手の反応を以前とは違う意味で受け止められるようになることがあります。

その後、プレッシャーや回避が弱まり、日常の会話や触れ合いが増える場合があります。

二人の緊張が弱まった先で、性的な関係について改めて考えられるようになることもあります。

変化の順番や速さは、夫婦によって異なります。

セックスが再開したかどうかだけでなく、話し合い方、相手への近づき方、日常の安心感なども、夫婦関係の変化です。

セックスレスのカウンセリング例

セックスレスのカウンセリング例を紹介します。個人情報保護のため、複数の事例を組み合わせて、所々改変しています。

結婚6年目の夫婦が、結婚2年目くらいから続くセックスレスに悩んでカウンセリングにお越しになりました。夫婦ともに子どもを望んでいるはずが、夫はセックスへの意欲が湧かず、その理由も自覚できない状態でした。

夫は、妻が強く子どもを望んでいるのを知っています。ただ、子作りのためのセックスに味気なさを感じていました。それでも、結婚当初は(2人にとって)普通程度にセックスはありました。2年目くらいから仕事の負荷が高くなり、ストレスと疲労でセックスに負担を感じるようになりました。

妻は自分の両親が、孫の誕生を強く期待しているのを知っています。両親との関係は良好です。両親のの期待に応えたいと思っています。応えてくれない夫に不満を持っています。一方で、セックスレスが原因で、夫婦のコミュニケーションが減少したことに、さびしさとつらさを抱えていました。

カウンセラーは、コミュニケーションとしてのセックスを目標にする提案を行いました。夫婦は同意しました。

セックスの前に、コミュニケーション全体の改善から取り組むことになりました。以前はよく2人で映画を見に行っていたとのことなので、一緒に映画に行くことから始めました。

かなり簡略化していますが、このように、コミュニケーションや関係性の改善が、性的関係の再構築につながるケースがあります。このケースは性行為の頻度の増加が解決でしたが、必ずしも性行為の頻度増加が解決ではありません。夫婦の親密さと絆の回復が解決となるケースもあります。

参考ページ夫婦のコミュニケーションをより良くするカウンセリング

カウンセリングでも変えられないこと

カウンセリングは、パートナーにセックスを受け入れさせる場ではありません。

性欲や性的な反応は、意志だけで自由に変えられるものではありません。カウンセラーが、拒否している側を説得することもありません。

どのような夫婦関係であっても、望まない性行為を受け入れる必要はありません。夫婦であることは、性行為への同意があることを意味しません。

また、カウンセリングを受ければ、必ずセックスが再開するわけではありません。

カウンセリングで取り組めるのは、次のようなことです。

  • 二人の間で起きていることを整理する
  • これまでの解決努力を見直す
  • 悪循環を弱める
  • 話し合い方を変える
  • 夫婦に合った目標を考える
  • 自分にできる行動を選ぶ

その結果、性的な関係が変わることもあれば、夫婦にとって別の着地点が見つかることもあります。

身体的な病気、服薬、更年期、痛み、勃起や射精に関する問題などが影響している場合は、医療機関への相談が必要です。

カウンセリングと医療機関の両方を利用することもできます。

よくある質問

Q
一人だけでも相談してもいいですか?
A

はい。パートナーがカウンセリングを望んでいない場合も、お一人でご相談いただけます。

夫婦関係は、二人のやりとりによって成り立っています。そのため、一方の対応が変わることで、二人のやりとりが変化することがあります。

まずは、自分が何に困っているのか、何を望んでいるのかを整理するだけでも構いません。

Q
夫婦で意見が違っていても相談できますか?
A

はい。夫婦の意見や目標が一致していなくても相談できます。

最初から結論を一つにまとめるのではなく、それぞれの希望や困りごとを確認します。

意見の違いを整理すること自体が、カウンセリングの目的になる場合もあります。

Q
セックスについて詳しく話さなければなりませんか?
A

話したくないことを、無理に話す必要はありません。

必要な範囲を確認しながら進めます。

具体的な性行為の内容よりも、その前後にどのようなやりとりがあり、二人が何を感じているのかを中心にお聞きすることもあります。

Q
相談したら、セックスを再開することになりますか?
A

いいえ。

セックスの再開をカウンセラーが求めることはありません。

何を目標にするかは、二人の希望を確認しながら考えます。

Q
拒否している側が責められることはありませんか?
A

カウンセリングでは、誘う側と拒否する側のどちらが正しいかを判断しません。

拒否している側だけを問題としたり、セックスに応じるよう説得したりすることもありません。

双方が何に困っているのかを確認し、二人の間で続いているやりとりを整理します。

Q
どのくらいの期間や回数が必要ですか?
A

必要な回数は、問題の内容や目標によって異なります。

初回では、現在の状況、これまでに試したこと、希望する変化を整理します。

その後は、相談の経過を確認しながら、次回の必要性を一緒に検討します。長期間通うことを前提にはしていません。

Q
セックスレスでも離婚になりますか?
A

セックスレスがあるからといって、必ず離婚になるわけではありません。

一方で、夫婦間での受け止め方の違いが長期間続き、関係が悪化することもあります。

離婚になるかどうかを一律に判断することはできません。現在の関係と、それぞれが今後何を望んでいるのかを整理する必要があります。

迷っている方へ

セックスレスは、夫婦以外の人には話しにくい問題です。

「こんなことを相談してよいのか」「うまく説明できるかわからない」と迷う方も少なくありません。

しかし、何をどうしたいのかが決まっていない段階でも相談できます。

  • セックスを再開したいのかわからない
  • 夫婦関係を続けるか迷っている
  • パートナーと希望が違う
  • 相手は相談を望んでいない
  • まず自分の気持ちを整理したい

このような段階でも構いません。

カウンセリングでは、どちらが正しいかを決めたり、どちらかを説得したりすることはありません。

現在どのようなことに困っているのかを確認し、何が少し変わればよいのかを一緒に考えます。

その後どうするかは、ご自身のペースで決めていただけます。

お一人での相談も受け付けています。

このページの執筆者
山崎 孝

大阪を拠点に、ブリーフセラピー(短期解決型カウンセリング)と家族療法を主軸に、夫婦・カップルの問題解決をサポートしています。開業して15年になります(2026年現在)。カウンセリング経験は延べ9,000回を超えました。

自身も夫婦関係に困難な時期を経験したことがあり、その経験が来談者の苦しみへの理解につながっていると感じています。理論だけでなく、当事者としての視点からも、来談者の苦しみに向き合うことを大切にしています。

・公認心理師
(第36732号:厚生労働省)
・ブリーフセラピスト・ベーシック
(B00196号:国際ブリーフセラピー協会)

カウンセラーの詳しいプロフィール

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