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夫婦のコミュニケーション

夫婦・カップルの関係が悪化するきっかけには、不倫・浮気、セックスレスなどの大きな問題、日常のちょっとした習慣(行動や考え方)の違いなどの小さな問題など様々です。大きな問題が起きても、修復に向かえる夫婦・カップルがあります。一方、きっかけは小さなことなのに、大きな衝突に発展する夫婦・カップルがあります。

その違いを生む要因には様々なものがありますが、一つはコミュニケーションです。

コミュニケーションが良好な夫婦・カップルは、衝突が起きても互いにある程度納得できる落とし所にたどり着けます。言いたいことを言っても大丈夫という安心感が得られます。ケンカしても「雨降って地固まる」ようなことさえ起きます。関係を発展させる土台になります。

コミュニケーションに問題がある夫婦・カップルは、些細なことが大きなケンカに発展しやすいです。落とし所に到着できません。互いにストレスを抱えたまま終わります。そのストレスは感情を爆発させやすくします。話すとケンカになるからと、コミュニケーションレスになることもあります。

そもそもコミュニケーションとは

「良い関係を維持・発展させるにはコミュニケーションが大切ですよね」という考えには多くの人が賛成すると思います。

そもそも、良いコミュニケーションとは何なのでしょう。カウンセリング中に夫婦・カップルが口論を始めるのは珍しくありません。会話さえしていればコミュニケーションが良いとは言えないようです。このように書いて気づくのは、会話とコミュニケーションは似て非なるものであることです。

英和辞典で「会話(カンバセーション)」と「コミュニケーション」を調べると以下のように記されています。

conversation
1.〔日常生活などについての気楽な〕会話、話し合い
2.〔組織の代表の非公式な〕会談、打ち合わせ
<以下省略>

conversationの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB

communication
1.〔情報の〕やりとり、連絡、伝達
2.〔伝達される〕情報、メッセージ、手紙
3.〔お互いの〕意思疎通、共感、感情的つながり
<以下省略>

communicationの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB

会話(カンバセーション)と比較すると、思考や感情の深い層で交流しているのがコミュニケーションと言えそうです。それぞれ独立して行われるのではなく、会話レベルで終わることがあれば、コミュニケーションまで深まることもある、ということでしょう。

「普段は仲がいいんですけど・・・」

カウンセリングにお越しになる夫婦・カップルは、すべての場面で関係が悪いわけではありません。むしろ、概ね良い感じです。「普段は仲がいいんですけど、○○の話になると、お互い感情的になって話し合いにならないんです」とおっしゃいます。会話ができても、コミュニケーションができない。そんな状態かもしれません。

会話で終わるのがダメというのではありません。雑談は関係を育むにあたって、むしろ必要なものです。雑談しかできないのがダメなのです。ときには、お互いの考えや気持ちをテーブルの上に出して、衝突しながらも着地点にたどりつけるコミュニケーションも必要です。

コミュニケーションを阻害する心のスレ違い

男性は論理的で解決志向。女性は情緒的で共感志向。聞き飽きた話かもしれません。聞き飽きるくらい聞くのは、やっぱりその通りで、わかっているけれど中々できないからでしょう。家族療法の立場から心のスレ違いについて書いてみます。お付き合い下さい。

【感情と知性のバランス】自己分化

人には感情的な機能と知性的な機能があります。感情的な機能と知性的な機能をバランスよく使える状態を、家族療法の大家の一人であるボーエンは、「自己分化度が高い」と表現しました。逆に、どちらかに偏って一方しか使えない場合、「自己分化度が低い」と表現しました。

自己分化度が高い人は、ストレス度の高い状況に置かれたとき、適切に対処できると考えられます。自己分化度が低い人は、不適切な言動を取りやすいと考えられます。

ここで注意が必要なのは、感情的だから自己分化度が低いのではなく、知性的だから高いのでもないということです。どちらか一方に偏っているのが自己分化度が低い状態です。

完璧を求める必要はない

このように書くと、自己分化度が低い人はダメな人と誤解されるかもしれません。そのようなことはありません。ボーエンは自己分化度を0から100の範囲で数値化しました。75以上の人は少なくて、90以上に到達する人はめったにいないと言います。完璧な人はいません。みんな同じ程度に未熟です。

一般的に、男性は論理的で解決志向、女性は情緒的で共感志向は、自己分化度の低い男性は知性的に偏っている場合が多く、女性は情緒的に偏っている場合が多いです。カウンセラーとしての実感は、男女逆のケースもめずらしくなくなりました。

魅力が不満の種に変わる

ボーエンは、自己分化度が自分と同じくらいの人をパートナーに選ぶ傾向があるとしました。同じタイプの人を選ぶケースもありますが、逆のタイプを選ぶことが多いようです。論理優位な人は感情豊かな人に、感情優位な人は論理的な人に惹かれるパターンです。タイプが真逆で自己分化度が同じくらいの人です。

交際時は自分にない部分に惹かれのに、結婚生活を送るうちに不満の種に変わっていくことはめずらしくありません。例えば、「決断力があって頼もしい男性 ➡ 人の話を聞かない自分勝手な夫」「控えめで男性を立ててくれる女性 ➡ 自分の意見がなく物足りない妻」のような感じです。

専門家が第三者の立場からコミュニケーションをサポート

問題が起こると解決しようと試みます。その試みが問題を維持するように作用することがあります。帰宅が遅い夫に「たまには早く帰ってきて話を聞いてよ」と言うと更に帰宅が遅くなったり、「子どもに俺の悪口を言うな」と夫が言うと、「あなたは姑さんに私の悪口を言った」と返ってきたり。

どのような悪循環が起きているのかを当事者本人が認識するのはむずかしいものです。認識できても何をどうすれば良いか中々わからないものです。家族療法のカウンセラーは夫婦や家族の「関係」をサポートするトレーニングを受けています。個人カウンセリングのカウンセラーとの違いです。

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