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不倫・浮気のカウンセリング

不倫・浮気は夫婦・カップルカウンセリングで多い相談の一つです。知人に占い師がいるのですが、占いでも多い相談の一つだそうです。

不倫・浮気とは

不倫と浮気の違いを認識して使う必要があるのか。カウンセリングで違いを認識する必要があるとは思いませんが、あいまいなままにしておくのも居心地が悪いので、簡単に触れてみたいと思います。

辞書を引くと以下のように記されていました。

【不倫】道徳に反すること。特に、男女の関係が人の道に外れること。また、そのさま。

【浮気】③妻や夫など定まった人がいながら他の人と情を通ずること。

松村明(編)2019『大辞林4.0』三省堂編修所(iPhoneアプリ)

不倫は、当事者の双方もしくは一方が既婚者で、配偶者以外の人と性行為がある場合と定義されるのが一般的です。浮気は、既婚と未婚を問いません。性行為の有無も問わないようですが、一般的には性行為がある場合を指すことが多いと思われます。

法律上の不貞行為は、夫婦・婚約・内縁関係にある者が、配偶者以外の異性と挿入を伴う性行為を行うことです。現時点では、同性愛者との性行為は不貞行為とは見なされないようです。風俗での性行為も不貞行為になります。回数が少なく期間が短い場合は不貞行為と認められない例もあるようです。

※お断り
法的な正確さは保証できませんので、正確な情報が必要な場合は弁護士など専門家にお問い合わせ下さい。

相談の種類

不倫・浮気の相談の種類は大きくは以下の4つです。

  1. パートナーの不倫・浮気が発覚した。混乱してどうすればいいのかわからない。
  2. 離婚を決断したが、本当にこれで良いのか今も迷っている。
  3. 一方が修復を他方が離婚を希望している。
  4. 双方が修復を希望している。

心の整理を進めて何らかの決断をする支援

1と2は、「された側」がお一人で来談させる場合が多いです。丁寧にお話をお伺いして、心の整理を進めて、ご自身が自ら何らかの決断をされるまでをサポートします。いわゆる傾聴による支援です。

聴くだけのカウンセリングに意味はないと言う人がいます。「心の整理が済んでいる。具体的な決断や行動を起こしたい。専門家のアドバイスをもらって決断の材料にしたい」。そのような相談では、聴くだけのカウンセリングでは意味がないでしょう。

パートナーに不倫・浮気をされるのは大きなショックを受ける体験です。大切な人を亡くした体験に似ています。しっかり嘆き悲しむことが必要です。そのようなときのアドバイスは、その人を深く傷つけます。まずは話をしっかり聴いて受け止めることが求められます。

1と2の支援は、しっかり話を聴くことから始まります。非日常的で安全な場所で、安全な相手に自由に話すことによっって、心の荷物を肩から降ろしたような軽さを感じる体験です。感じていることを表現する言葉を見つける過程は、心を整理する過程そのものです。

傾聴が機能しているときは、来談者さんは自分の頭の中とカウンセラーの頭の中を使って思考を巡らせています。傾聴が適切に行われたら、来談者さんは自ら気づきを得て、自ら決断に向かいます。提案やアドバイスが効果を発揮するのは傾聴が機能してからです。

修復の(可能性を探る)支援(3と4)

「された側」がほとんど離婚を決意している場合、「した側」が修復の可能性を探りに一人で来談されることがあります。「された側」が同席して下さる場合があります。修復の可能性を探る方向に進むことがあれば、離婚の決意が固くなるケースもあります。

「した側」が離婚を希望して、「された側」が修復を希望するケースもあります。これまでの結婚生活全般を振り返って、様々な失望や葛藤などを掘り起こすなどして、将来にわたって夫婦生活を継続できる可能性を確かめていきます。不倫・浮気に関わらず、離婚がテーマのカウンセリングで行われることが多い作業です。

双方が修復を希望する場合の支援を以下に紹介します。

修復へのプロセス

双方が修復で一致して一件落着とはなりません。スタートラインについたに過ぎません。お互いにとって、つらい道のりになることがしばしばです。

「された側」は当然のことながら「した側」も疲弊する

「された側」の傷ついた心の癒しに必要なプロセスに、『同じことを何度も繰り返し聞く』があります。一つの出来事について、いつ、どこで、何をしていたのか等を問い詰めます。毎日長時間に渡って行われることもあります。

「した側」は、なぜ何度も同じことを繰り返し聞くのか理解できません。決まって感情的に問い詰められます。このように思います。

  • 心から申し訳ないと思っている。
  • 不倫してしまった事実は変えられない。
  • 修復すると決めたからには前を向いてがんばりたい。
  • 何度も蒸し返すことに何の意味があるのか。

そう思うのはやむを得ないのかもしれません。しかし、それを態度に示すことは、「された側」にとって誠意を欠く行為です。そのような言葉が引き金になって、明け方まで言い争いが続くこともめずらしくありません。

そのようなことが繰り返されて、お互いに傷つき疲れ果てて、カウンセリングにお越しになるケースが多いです。疲れ果てる前に、ぜひカウンセリングにお越し下さい。

「された側」の苦しみはトラウマ体験に似ている

配偶者の不倫・浮気は、信じていた価値観や人生観が根底からひっくり返される体験になることがあります。その体験を理解するにはトラウマの理解が役に立ちます。

トラウマとは

トラウマとは、生死に関わる危険や恐怖体験によって刻まれた強烈な「心の傷」です。トラウマによる心の病は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)としてよく知られています。

生死にかかわるような実際の危険にあったり、死傷の現場を目撃したりするなどの体験によって強い恐怖を感じ、それが記憶に残ってこころの傷(トラウマ)となり、何度も思い出されて当時と同じような恐怖を感じ続けるという病気です。

PTSD|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

米国精神医学会診断統計マニュアル第5版(DSM-5)の基準によれば、PTSD(心的外傷後ストレス障害Post-Traumatic Stress Disorder)とは、実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる、特徴的なストレス症状群のことをさします。

PTSD とは | 日本トラウマティック・ストレス学会

「された側」の傷つきは、これほどのものと認識しておくべきです。この傷の癒やしと回復において、カウンセラーは主役になれません。脇役です。主役は「した側」です。覚悟が求められます。

「された側」の言動を理解するためにトラウマの症状を知る。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を知ると、「された側」の言動を理解しやすくなると思います。主な症状は以下の4つです。

侵入症状

つらい記憶や感情が突然よみがえる。悪夢見る。フラッシュバックが起こる。

回避症状

つらい記憶を思い出させるような人物、事物、状況や会話を回避する。

過覚醒

常に神経が張り詰めている。怒りっぽくなる。イライラしやすい。集中できない。いつも警戒している。

否定的な認知と気分

感情を麻痺させることによって苦痛を避けようとする。やさしさや愛情などプラスの感情も感じられなくなる。

穏やかに会話していても、急に様子や態度が変わったりすることがあります。ふいに、もしくは何かのきっかけで思い出したのかもしれません。侵入症状によるものかもしれません。

不倫・浮気を思い出させるような場所や物事を避けるようになります。回避症状と考えられます。あえてそのような場所に行って、プラスの思い出で上書きするんだ、とおっしゃる方もいました。

これまで安全と思っていた世界が危険なものに変わりました。常に危機に備えて緊張します。ちょっとしたことに過敏に反応します。眠れなくなります。眠れなくなると更に過敏になります。

私たちは苦しみなど苦痛な感情を避けるために、感情を麻痺させることがあります。自分を守ろうとする心の営みですが、家族や友人への愛情などプラスの感情も麻痺させてしまいます。

気持ちの理解から

「された側」にとって、安全な日常が危険な日常に変わりました。以前の日常が頑丈な橋なら、現在の日常は今にも落ちそうな吊り橋です。一歩一歩安全確認が必要です。何度も同じことを聞くのは安全確認の一つです。

これまでの人生や自分に対する認識が一変しました。

  • 女性(または男性)としての価値がないと感じる。
  • 人として存在する価値を感じられなくなる。
  • 一緒に過ごしてきた人生が無意味なものに感じる。
  • 将来を考えると絶望しかない。
  • その他。

「した側」に求められるのは、単に「申し訳なかった」と謝罪することではありません。浮気されたことがパートナーにとってどのような意味があるのか、どのような気持ちにさせられているのか。それらを理解することからです。

カウンセリングで行うこと

カウンセリングでは、「された側」が気持ちを言語化するサポートを行います。混乱しているとき、気持ちを言語化するのはむずかしいものです。「初めて気持ちを言葉にできました」とおっしゃる方は少なくありません。

それは、「した側」がパートナーの気持ちの理解を深めるサポートにもなります。また、「した側」の気持ちを言語化するサポートも行います。心から反省して償う努力を重ねていても、その気持ちが相手に伝わらない苦しさを抱えていることが多いからです。

夫婦に血のつながりはありません。情緒的な絆でつながっています。修復を目指すカウンセリングでは、情緒的な絆に焦点を当ててサポートを行います。

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