
執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士
パートナーがうつ病や適応障害、パニック症・不安症などのメンタル不調を抱えると、支える側も疲弊して、心身のバランスを崩すことがあります。「しっかり支えなければ」と思うあまり、自分のことを後回しにして共倒れになることも少なくありません。
良かれと思ってやっていることが、かえって問題を悪化させていることがあります。パートナーのメンタル不調から夫婦が共倒れにならないための支援を行っています。
HSPやアダルトチルドレンの特性による夫婦関係の課題、子どもの不登校やひきこもり、発達障害のパートナーとの関係など、夫婦で一緒に乗り越えなければならない問題を解決するサポートも行っています。

パートナーがうつ病になると、支える側も大きな精神的・肉体的負担を感じることが少なくありません。「しっかり支えなければ」と思うあまり、自分のことを後回しにして疲弊し、夫婦が共倒れになることがあります。
うつ病に関する正しい知識を持つことは大切ですが、それ以上に重要なのは「良かれと思ってやっていることが、かえって問題を悪化させている」パターンに気づくことです。励まそうとする言葉、原因を追及する質問、すべてを代わりにやろうとする行動などが、本人の自責感を強めたり、無力感を増したりすることがあります。
カウンセリングでは、夫婦が互いの気持ちを共有し、効果的な関わり方を学びます。支える側が自分自身のケアを優先することは、決して自己中心的ではありません。あなたが元気でいることこそが、パートナーを支え続けるための土台になります。普段通りに接すること、できる範囲でサポートすることが、結果的に本人にとっても良い結果につながります。
うつ病という危機を一緒に乗り越えて、より絆を深める機会になることを目指しています。

パートナーが適応障害になると、支える側も「何とかしてあげたい」と思い、疲弊することがあります。ストレスの原因が明確な分、アドバイスや問題解決をしてあげようと考えがちですが、その関わり方がかえって本人を追い詰めることがあります。
適応障害に関する正しい知識を持つことは大切ですが、それ以上に重要なのは「助けようとする行動が、かえって問題を悪化させている」パターンに気づくことです。改善点の指摘、解決策の提案、過度な配慮などが、本人の「自分では何もできない」という無力感を強めたり、「まだ努力が足りない」というメッセージに聞こえたりすることがあります。
カウンセリングでは、夫婦が互いの気持ちを共有し、効果的なサポート方法を学びます。支える側が自分自身のケアを後回しにする必要はありません。あなたが自分を大切にすることが、パートナーにとっても安心につながります。解決策の提案より共感と受容、がんばりすぎないサポートが、結果的に本人にとっても良い結果につながります。
適応障害という課題を一緒に乗り越えて、より絆を深める機会になることを目指しています。

パートナーがパニック症や不安症を抱えると、支える側も不安に巻き込まれ、精神的に疲弊することがあります。「安心させなければ」と思う気持ちが、かえって不安を強化してしまうこともあります。
パニック症や不安症に関する正しい知識を共有し、症状の特性を理解することが重要です。パニック発作や強い不安は、本人にとって非常に苦しい体験ですが、適切な対処法を身につけることで改善が可能です。しかし、周囲が安心させようと繰り返し確認に応じたり、不安な場面を避けるサポートをしすぎたりすると、かえって症状を長引かせることがあります。
カウンセリングでは、夫婦が互いの気持ちを共有し、効果的なサポート方法を学びます。支える側が不安に巻き込まれず、落ち着いた態度で関わることが、パートナーにとって最大の安心材料になります。また、支える側も自分自身のケアを怠らないことが大切です。無理をしすぎず、自分の限界を理解し、必要に応じて休息やサポートを求めることが、共倒れを防ぐために重要です。
パニック症・不安症という課題を一緒に乗り越えて、より絆を深める機会になることを目指しています。

パートナーが双極症(双極性障害)になると、気分の激しい波に振り回されて、支える側も心身ともに疲弊することがあります。躁状態のときの衝動的な行動や、うつ状態のときの深い落ち込みに、どう対応すればよいのか戸惑うことも少なくありません。
双極症に関する正しい知識を持つことは大切ですが、それ以上に重要なのは「良かれと思ってやっていることが、かえって問題を悪化させている」パターンに気づくことです。躁状態を「元気になった」と喜んで一緒に盛り上がったり、本人の気分の波に合わせて関わり方を大きく変えたり、服薬の中断を容認したりすることが、症状を悪化させたり再発を招いたりすることがあります。
カウンセリングでは、夫婦が互いの気持ちを共有し、効果的な関わり方を学びます。支える側が気分の波に巻き込まれず、一定の落ち着きを保つことが、パートナーにとって安定の支えになります。躁状態での衝動的行動に適切な境界線を引くこと、服薬継続をサポートすること、そして自分自身のケアを優先することが、共倒れを防ぐために重要です。
双極症という課題を一緒に乗り越えて、より絆を深める機会になることを目指しています。

パートナーが強迫症(強迫性障害)になると、繰り返される確認行為や清潔行動に付き合ううちに、支える側も心身ともに疲弊することがあります。「確認してあげれば安心するだろう」と思って応じ続けても、要求はむしろ増えていくことがあります。
強迫症に関する正しい知識を持つことは大切ですが、それ以上に重要なのは「良かれと思ってやっていることが、かえって問題を悪化させている」パターンに気づくことです。確認要求に何度も応じたり、清潔行動に協力したり、儀式的行動を家族で守ったりすることが、症状を悪化させたり、家族全員が巻き込まれる原因になったりすることがあります。
カウンセリングでは、夫婦が互いの気持ちを共有し、効果的な関わり方を学びます。支える側がすべての要求に応じる必要はありません。むしろ、巻き込まれないことが、パートナーの回復を助けます。確認要求には最初の1回だけ応じる、儀式的行動には参加しない、生活の制限には応じないなど、適度な境界線を保つことが、共倒れを防ぐために重要です。
強迫症という課題を一緒に乗り越えて、より絆を深める機会になることを目指しています。

HSPの特性を持つ方とそのパートナーが直面する課題に対するサポートを提供しています。HSPとは、環境や他人の感情に繊細で敏感に反応する傾向を持っている人のことを指します。この敏感さは夫婦関係において誤解やコミュニケーションの難しさを引き起こすことがあり、互いに疲弊することも少なくありません。
HSPの方が自身の自己理解を深めることに加えて、パートーナーもHSPの特性を理解することが重要です。HSPの方は過剰なストレスを受けないよう、環境調整やストレス対処法の習得に取り組みます。パートナーもHSPの感情や反応に対する理解を深め、過度な期待やプレッシャーをかけないための適切なコミュニケーション方法を身につけます。
その過程で、夫婦が相互理解を深めるコミュニケーションを提案やアドバイスを行います。HSPの特性に対する誤解が解消され、感情的な負担が軽減されると同時に、より穏やかで協力的な関係が築かれることを目指しています。夫婦が健康的な関係を維持し、互いに安心感を与え合える環境を提供します。
アダルトチルドレン(AC)の特性による夫婦関係の影響とその改善を目指した支援を行っています。アダルトチルドレンとは、子どもの頃に機能不全家族で育ち、適切な愛情やサポートを受けられなかったため、大人になっても心理的・感情的な問題を抱える人々を指します。
ACのパートナーとの関係では、環境の変化や感情の波に強く影響を受け、コミュニケーションが困難になることがしばしばあります。カウンセリングでは、こうした特性を理解し、夫婦が互いに感情やニーズを共有する場を提供します。これにより、双方が安心感を持ちながらコミュニケーションを深め、相互理解を促進します。
さらに、夫婦関係が「安心・安全の基地」として機能することが重要視されています。ACの人は、幼少期に安定した愛着関係を築けなかったことが多いため、大人になってから安定した関係を築くことが難しい場合があります。しかし、パートナーとの関係が安定したアタッチメントを形成する「基地」となれば、ACの人が自尊心や自己肯定感を育てる手助けとなります。
子どもの不登校やひきこもり問題に直面する夫婦に対して、共に問題解決に向かうためのサポートを行っています。
不登校やひきこもりのお子さんを持つ親は、様々なところから情報を収集して、様々な試みを行っていますが、それらが実を結ばないことによる無力感や疲労を抱えていることがほとんどです。その気持ちに寄り添いながらサポートを行っています。
発達障害を持つパートナーとの関係において、夫婦が直面する課題やその解決方法についてサポートを提供しています。発達障害とは、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)など、脳の機能が通常と異なるために社会的なコミュニケーションや日常生活に困難をもたらす特性を持つ状態を指します。
発達障害を持つパートナーとの生活では、感情のすれ違いやコミュニケーションの難しさが生じることがあり、相手の行動や言動を理解するのがむずかしい場合があります。このような状況は、夫婦関係に大きな影響を与え、ストレスや不満が溜まる原因となります。
まず、発達障害に対する正しい理解を深めることが大切です。発達障害を持つ人の特徴を知り、彼らが直面する困難や苦労を理解することが、夫婦間のコミュニケーションを改善する第一歩です。また、相手の特性に合わせたコミュニケーション方法を学ぶことで、ストレスを減らし、よりスムーズなやり取りが可能になるはずです。
さらに、夫婦でお互いの役割分担や期待を明確にし、パートナーシップを強化する方法も学びます。発達障害を持つパートナーにとっては、日常のルーティンや環境が大切であり、それらを理解し尊重することが重要です。カウンセリングを通じて、夫婦が共に成長し、より良い関係を築くためのサポートを提供します。