誤解を招きやすい言葉には典型的な例があります。「いつも」「また」といった一般化する言葉、怒りを伴う質問の形は、誤解や対立を引き起こす原因となります。また、身振りや手振り、口調などの非言語情報もコミュニケーションの重要な要素です。今回は、避けるべき表現と、言葉と非言語情報の関係について説明します。
前回の振り返り
前回は、伝えたいことを整理して明確に伝えるDESC法を紹介しました。
という4つのステップで、相手に伝わりやすい話し方を実現できます。
誤解を招きやすい表現

「いつも」「また」は特定の行動を一般化する
「いつも」「また」といった言葉は、特定の出来事を全体に一般化してしまいます。
例えば、「あなたはいつも遅刻する」という言い方は、常にそうであるかのように誇張してしまいます。また、行動を批判しているつもりが、人格の批判になりうる表現です。相手に不公平感を与え、防衛的な態度や反発を引き出すことがあります。
さらに行き過ぎた表現として、「あなたは自分勝手なんだから」「あなたはズルい人」のようなレッテル貼りがあります。これは行動の批判を超えています。
望ましい表現
一般化せず、具体的な出来事を述べます。
これは、DESC法のD(事実の記述)です。具体的な事実を述べることで、相手は何について話しているのかを正確に理解できます。
怒りを伴う質問の形
例えば、「どうしていつもこんなに無神経なの?」という言い方は、質問の形を取っていますが、実際には相手を非難しています。
相手はその質問に対して真剣に答えようとすることがあります。しかし、怒りを込めた質問はしばしば、相手の回答を「言い訳」として切り捨てます。
「何を言っても言い訳と切り捨てられるなら、黙っている方がマシ」となり、ますますコミュニケーションが悪化していくこともあります。
望ましい表現
DESC法のEとSを使います。
質問形式ではなく、自分の気持ちを述べ、望むことを伝えます。
なぜこれらの表現が問題なのか
「いつも」「また」や怒りを込めた質問は、以下の問題を引き起こします。
アイメッセージとDESC法を使うことで、これらの問題を避けられます。
非言語コミュニケーションの影響

メラビアンの法則
「目は口ほどにものを言う」と言いますが、どの程度ものを言うのかを研究した人がいます。心理学者アルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則です。
私たちは言葉だけでコミュニケーションを取っているわけではありません。言語情報に加えて、視覚情報(身振りや手振り)、聴覚情報(声のトーンや口調)を用いています。
3つの情報が一致しているとき
つぶやくとき、すなわち3つの情報が一致しているとき、悲しい気持ちが正確に伝わります。
3つの情報が不一致のとき
ぶつけられたとき、すなわち3つの情報が不一致のとき、この場合なら、相手は怒っていると受け取るでしょう。「悲しい」とは受け取らないはずです。
(この例の状態のとき、「悲しい」という第一次感情から「怒り」という第二次感情が生じたと考えられます。詳しくは【自分自身との対話】親密さと関係を育てるコミュニケーション(3)をご覧下さい)
メラビアンの法則:3つの情報の優先度
メラビアンの法則は、3つの情報が不一致のとき、どの情報が優先されるかを示すものです。優先度は以下の通りです。
3つの情報が不一致のとき、言語情報は受け取ってもらえない可能性が高いです。
特に怒りに包まれているときほど、そうなりがちです。「いつも」と一般化して、「〜な人」とレッテルを貼って、「どうして〜?」と質問の形で、3つの情報が矛盾しているものです。
感情を落ち着けてから話す
コントロールがむずかしいほど怒りの強度が高いときは、話し合いを避けるのが望ましいです。まずは沸騰した感情を冷ますことに注力して、話し合いはそれからが理想です。
怒りの対処については、【夫婦のコミュニケーション】怒りのコントロールで詳しく説明しています。
アイメッセージで伝える
基本に立ち返る
対処法は、これまでの投稿で紹介したアイメッセージです。DESC法です。事実や状況を具体的に示して、それをどのように感じたのかを「私を主語」にして表現し、相手に望むことを伝えます。
普段、そのような意識をしていない人にとっては、とても面倒に感じるかもしれません。しかし、ただ仲良くするのではなく、お互いを尊重して協調関係を築くには努力が必要です。何となく会話しているだけで関係が築けることはありません。
練習と習慣化
アイメッセージやDESC法は、スキルです。スキルは練習によって身につきます。
最初はぎこちなく感じても、繰り返すうちに自然に使えるようになります。重要な話をするときは、事前に紙に書いて整理するのも効果的です。
まとめ





