
執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士
不倫・浮気をしている人がこのページたどり着いたのは、罪悪感、不安などの悩みからかもしれません。当カウンセリングルームでは、今不倫をしている人の相談を承っております。
不適切な行為を頭から否定するようなことはありません。不倫・浮気が生活全体のバランスを保つ要素として機能しているケースがあります。ただ否定するだけでは解決に至りません。もちろん、単純に容認することもできません。その人自身や背景を含めた全体的な理解が必要です。
その人自身や背景を含めた全体的な解決のサポートがカウンセリングの役割です。お一人おひとりの状況に応じたサポートを提供します。
「不貞行為(配偶者以外の他者との性交渉)=不倫」とするのが一般的です。法的にも不貞行為は「婚姻を継続し難い重大な事由」の1つにあげられます。しかし、個人的な関係においては、何をもって不倫とするかは主観的なものです。
不倫の影響は、子どもなど家族にも及びます。職場や友人関係にも及ぶことがあります。決して当事者だけの問題ではありません。
インターネットやSNSの普及により、不倫の形態が変化しています。オンライン上での性的な会話が不貞行為に相当すると判断される可能性もありえます。
やめたいと思いながらも、なかなかやめられない理由は様々で、個人によって異なります。個人内の要因と環境・関係の要因に分けてあげてみます。
自尊感情(自己肯定感)が低い人は、他者からの承認や愛情を通じて、その低さを補おうとすることがあります。
適切なストレス対処法を持たない人は、不倫・浮気をストレス解消手段として用いることがあります。
過去のトラウマや未解決の心理的問題が、不倫・浮気の根底にあることがあります。
機能不全家族で育った人(アダルトチルドレン)は特徴的な行動パターンを示すことがあります。
参考ページ︰社内不倫にのめり込む要因と対処
パートナーとの関係に問題がある場合、不倫・浮気が一時的な解決策として機能することがあります。
歪んだ認識や価値観を持つ環境が、不適切な行動を誘発することがあります。
時間の経過とともに、相手との間に感情的なつながりが形成されることがあります。
関係を終わらせようとしても、相手に受け入れてもらえず困難になることがあります。
以上の要因は、単独で存在することもあれば、複数が組み合わさっていることもあります。また、不適切な関係をやめられない人の中には、その要因を自分で認識できていないケースもあります。メンタルヘルス不調のときに頭が働きにくくなるのと似ています。
不倫・浮気は単に個人的な問題にとどまりません。当事者だけでなく、家族、友人、そして時には職場にまで及ぶことがあります。心理的、社会的、法的の3つの観点から考えます。
自分に関係するすべての人に深刻な影響を与えることがあります。本人は罪悪感や不安などのストレスを抱えます。裏切られた側は深い心の傷を負います。これらの感情は長期にわたって続き、うつ病など心の病に発展することがあります。また、心の傷による苦痛は長期間に渡ることが多いです。
参考ページ:パートナーの不倫で負う心の傷
参考ページ:不倫のフラッシュバック
子どもたちが両親の関係悪化により、不安や自責の念を抱くことがあります。将来の人間関係にも影響を及ぼす可能性があります。これらは長年にわたって、個人の幸福と生活の質を著しく低下させる可能性があります。
離婚や別居になった場合、子どもの生活環境や教育に大きな影響を与えます。共通の友人や知人との関係が悪化して、社会的に孤立することがあります。
職場内不倫の場合、職場での評判低下、チームワークや生産性への悪影響、職場環境を悪化させる可能性があります。これらの影響は、人生に長期的に影響を与える可能性があります。
離婚になった場合、財産分与、親権問題、慰謝料請求などが行われます。このプロセスは心身を消耗させます。
関係が終わった後でも、SNSでの不適切な投稿、つきまとい・ストーカー行為に発展することがあります。新たな法的問題に発展することもあります。
カウンセリングの主な目的は以下の通りです。
参考ページ:カウンセリングの流れ
参考ページ:カウンセリングの詳細
最後にメッセージとして、ここまでの内容を振り返ります。
他者から言われるまでもなく、ご本人が最も強く認識していることと思います。
それでも断ち切れないときは、信頼できる友人などへの相談と並行して、客観的な第三者への相談をおすすめします。ご自身の思考の枠の中に解決が見つからない場合、外に求めることも有用です。その手段としてのカウンセリングをご検討ください。