NHKハートネット 特集 精神的DV

執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士

令和5年10月9日と10日の2日間、「NHKハートネット 特集 精神的DV」が放映されました。再放送がありますのでお知らせです。精神的DVの典型例、なぜ逃げられないのかなど被害者の状態、加害者プログラム等の内容です。

被害者の証言

第1回は、被害者の証言です。副題は「私は支配されていた」でした。

語られていた言葉を箇条書きで紹介します。

  • 逃げようとすると電流が流れるような鳥かご
  • 何が夫を怒らせるのかわからない
  • (身体的DVと異なり)目に見えないので外から何が起きているのかわからない
  • 夫が豹変したのは結婚式の翌日から
  • 家の中でトイレに行くことさえ夫に「行ってもいい?」
  • 暴力がないからDV被害者と思っていなかった
  • 繰り返し説教されて自分が悪いと思っていた
  • 被害者である認識がなかった
  • 初めてDVと知ったとき涙が出た

一つの出来事を切り取れば、どの夫婦にも起こっているかもしれないけれど、繰り返されることでダメージを負っていく。それを「低温やけど」に例えるのはわかりやすいと思いました。

子どもへの影響にも触れられていました。母親を助けられない自責感に苛まれる子ども。父親の言動を真似て一緒に母親を追い詰める子ども。

被害者は女性に限らないことにも触れられていました。

被害を減らすために

第2回は、被害を減らすために。タイトルは「被害を減らすために 〜支援と対策〜」です。

モデルケースとして福岡県久留米市の取り組みが紹介されていました。

被害者は避難すれば終わりではありません。むしろ始まりと言えるでしょう。その後の生活に必要な様々な手続きがあります。その手続きがスムーズに進む仕組みを構築してサポートに当たっています。内閣府の以下のページにも久留米市の取り組みが紹介されています。

語られていた言葉をいくつか紹介します。

  • 妻は何も考えられなくなり夫に依存する
  • 本人はつらいけれど気がつかない、半分気づいている、打ち消したい
  • ケンカは対等、DVは支配
  • 加害者プログラムは被害者支援のため
  • 被害者が家を出ざるを得ないのはおかしい
  • 暴力被害をなくす取り組みが必要

被害を受けている方、夫婦生活がつらいけれど被害者である自覚がない人、大切な人が被害者かもしれないと心配されている方、興味関心がある方は、是非ご覧いただきたく紹介したしました。

当サイトの精神的DVに関するページは以下です。

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