配偶者が別居を強行するなど、配偶者の頭に離婚が現実的な選択肢として存在するとき、改善を望む側は、どのような姿勢で話し合いに向かうのが望ましいのか。これをテーマに考えてみたいと思います。
最悪のケースは、何とか危機を回避しようと焦るあまり、更に状況を悪化させてしまうことです。今後の話し合いに応じてもらえなくなったり、相手が離婚の決意を高めてしまうことさえあります。「急いては事をし損じる」を地でいくケースです。
(1)今後も話し合いができる状態を死守する
避けたいのは、相手に「以降の話し合いはムダ」と思われることです。今後も話し合いを持てる状態を維持することです。関係が一瞬にして修復される可能性はとても低いです。改めて関係を築くには、一つ一つ積み重ねていくことです。話し合いを通じて相互理解を積み重ねることも含みます。
(2)話し合いは勝ち負けを決めるものではない
話し合いがうまくいっているときは、お互いが考えや気持ちを表現して、お互いが相手の考えや気持ちを理解して、お互いに譲ったり譲られたりして、落とし所に到達します。このような話し合いができれば、夫婦・カップルは2人で一緒に勝つことができます。
話し合いという名の討論を行う人がいます。討論とは議論を戦わせることです。政治や経済などについてなら、夫婦・カップルで討論するのは問題ないでしょう(テレビ討論で見られる相手の言葉にかぶせる行為は問題ありと思います)。
関係について議論を戦わせて勝ち負けが決まったとしましょう。どちらかは勝者で、どちらかは敗者です。夫婦・カップルとしては、2人とも敗者かもしれません。
(3)話し合いのテーマは一つに絞る
1回の話で複数のテーマを扱うのは避けるのが望ましいです。複数のテーマを扱うと、相互理解にたどり着く経験を得にくくなります。また、複数のテーマを扱うのは、相手が負担に感じる場合もあります。
事前にテーマを決めていても、相手が別のテーマを話し出すことがあるかもしれません。その際には「○○の件について、そのように考えているのを理解した。今日は●●の件で進めて、その件は次回にしてほしい」のように伝えてみましょう。
(4)コンディションを整える
話し合いがうまくいかない原因に「焦り」があります。焦りは正しさ(勝ち負け)にこだわらせます。焦りはあなたを相手のペースより速く走らせます。相手はついていくのがしんどくなります。あなたはじれったくなります。噛み合いません。
話し合いに臨む前に、自分自身のコンディションを整えることを心がけましょう。心身の状態が良いほどストレス耐性が向上します。ストレス耐性が向上すると、相手が不快な言葉を発しても、受け止める力が向上します。ストレスコーピングの例は以下のページを参照して下さい。
「まず最初にやるべきことは?」と質問されたら、「コンディションを整えることから」と答えます。上の3つを実践するためにも、まずはコンディションを整えることから考えて下さい。