家庭と仕事「どっちが大切なの!?」

執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士

子育て中の夫婦はキャパオーバーになっているのが普通です。取捨選択の連続かもしれません。どちらも捨てきれない。決めきれない。そんなときに役立つかもしれないツールを紹介します。

アイゼンハワー・マトリクス

「家庭」もしくは「仕事」と明言される方がいらっしゃいますが、多くは「どちらも大切で、同じ土俵で比較するものではない」のようにおっしゃいます。「家庭」もしくは「仕事」と明言する方も、2者の比較で答えているのであって、どちらも大切なことに変わりないと思います。

アイゼンハワーとは、アメリカの第34代大統領です。アイゼンハワー・マトリクスとは、アイゼンハワーが行っていたタスク管理の手法です。重要度と緊急度でタスクを分類して管理します。以下の図のように、【緊急&重要】【非緊急&重要】【緊急&非重要】【非緊急&非重要】の4つに分類できます。

私(当カウンセリングルームのカウンセラー)のタスクを当てはめると以下のようになります。

「明日締切の仕事が、まだ残ってるの!?」というツッコミはご勘弁下さい。締切間近の仕事は【緊急&重要】なタスクです。光熱費の支払いは【緊急&非重要】です。支払いが遅れて電気やガスが止まるのは困ります。私にとって重要ではありませんが、先延ばししたくありません。

自分の能力向上(自己実現と書きましたが自己研鑽が正確ですね)や家族の幸せはとても重要です。しかし、緊急というのは違います。多くは地道に積み重ねて育てていくものです。なので【非緊急&重要】となります。私にとってのSNSは娯楽です。【非緊急&非重要】です。しかし、YouTubeがおもしろくて時に時間泥棒になります。

順番を間違えると入らない

こちらもタスク管理に関するお話です。

ある日の講義にて、教授は教壇に大きな壺をドンと置きました。

教授は壺にゴルフボールを入れました。いっぱいになったところで、「まだ入ると思うかね」と学生に聞きました。学生は「入りません」と答えました。

教授は砂利をゴルフボールの隙間に入れました。いっぱいになったところで、「まだ入ると思うかね」と聞きました。学生は「もう無理でしょう」と答えました。

教授はを砂利の隙間に入るように注ぎ込んでいきました。いっぱいになったところで、「まだ入ると思うかね」と聞きました。学生は「入るのでしょうね」と答えました。

教授はを注ぎ込みました。

教授は【 ボール ➡ 砂利 ➡ 砂 ➡ 水 】の順に入れました。もし、水から入れたらどうなるでしょう。残りの3つは入りません。砂利から入れると、砂と水は入りますが、ボールは入りません。

【壺】は時間です。時間は有限です。順番を間違えると、大切なことがいつまでも未完了・手つかずで残ってしまいます。

大切なことが後回しになりがち

【 ボール・砂利・砂・水 】を私のタスクに当てはめると下図になります。

『重要なことが緊急であることはほとんどなく、緊急なことが重要であることもほとんどない』という言葉があります。確かにそうです。私にとっての【ボール】は【非緊急&重要】に位置します。

恥を忍んでカミングアウトすると、ボールが最も大切なはずなのに、忙しさを理由にボールを後回しにしがちです。ときには水(SNS)を最初に入れていることさえあります。たまには良いかもしれませんが、日常化すると、いずれ間違いなく後悔すると思います。

「新しいスケジュール帳には、最初に家族の予定を入れる」とおっしゃる著名人の記事を読んだことがあります。そうしなければ、ボールが後回しになりがちだと知っているからだと思います。公私ともに充実させるためのライフハックだと思います。

個人的には、もし神様がどのような願いでも叶えてくれるのであれば、子育てをやり直させて下さいとお願いします。

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