パートナーの不倫は多くの人にとって、人生を揺るがすような大きな出来事です。多くの人が強いショックを受け、心が混乱して何も考えられなくなることがあります。
ショックや混乱が収まってくると、「いつから?」「どこで会っていた?」など、出来事の詳細を把握したくなります。より細かな詳細を把握するために、前に聞いたことを繰り返し聞くのはめずらしくありません。
詳細を知ることで更に傷つくこともありますが、それより詳細の把握が重要に感じます。その心理を説明します。
不倫によって負う心の傷
不倫によって負う心の傷の大きさは、トラウマ(災害の被災や犯罪の被害等、自分の存在を脅かすほどの大きなショック体験によって負う心の傷)に相当することがあります。不倫の発覚直後には、以下のような状態が現れやすいことがわかっています。
これらの反応は、大きなショックを受けた後の自然な反応です。むしろ、このような反応が出ることで、少しずつ心の整理が始まっていくと考えられています。
心の傷の詳細は以下のページをご覧下さい。ここでは「なぜ詳細を何度も聞きたくなるのか」にテーマを絞って話を進めていきます。
なぜ詳細を何度も聞きたくなるのか
大きなショックから少し落ち着きを取り戻すと、多くの方が「いつから?」「どこで会っていた?」「どんな関係だったの?」と、繰り返し詳細を聞くようになります。聞かれる側は「なぜ?」と戸惑ったり、疲弊したりします。
この行動には、以下のような意味があります。
現実を把握して整理したい気持ち
不倫という大きな出来事が起きたとき、人はまず現実を整理しようとします。
安心感を取り戻したい気持ち
大切なパートナーの裏切りは、心の安全基地が失われたような強い不安をもたらします。
コントロール感を取り戻したい気持ち
不倫された側は、自分の知らないところで物事が進んでいたという無力感を抱えています。
感情を表出して整理したい気持ち
大切なものを失い、深く傷ついたときには、感情を表出することが必要です。
これらの心理は、不倫・浮気の証拠を捨てられない心理と共通します。「捨てられない心理」については、以下の投稿にて説明しています。
参考ページ:不倫・浮気の「証拠を捨てられない心理」
繰り返し問いただすことのリスク
不倫発覚直後の感情的な反応は自然なものですが、それが長期間続くと以下のような問題が起こることがあります。
お互いの消耗
関係性の悪化
さらなる心の傷
建設的な対話への移行が重要
ある程度時間が経ち、初期の動揺が落ち着いてきたら、少しずつ以下のような建設的な対話を目指すことが望ましいです。
カウンセリングのすすめ
不倫の悩みは誰にでも相談できるものではありません。多くの方が、以下のような理由で一人で抱え込んでしまいます。
しかし、この苦しい状況を一人で抱え込む必要はありません。カウンセリングには以下のメリットがあります。
不倫された直後に詳細を何度も聞きたくなるのは、心が回復しようとする自然な反応です。この反応を「おかしなこと」と否定する必要はありません。しかし、その状態が長く続くことで、かえって回復が遠のくこともあります。
一人で抱え込まずに、専門家に相談することをお勧めします。夫婦関係をどうするかは重要なテーマですが、まずはあなた自身の心を少しでも穏やかにしていくことを優先してください。