【セックスレス】なぜ妻が拒否

執筆者:山崎 孝
公認心理師・ブリーフセラピスト・家族相談士

2017年に一般社団法人日本家族計画協会が発表した「第8回 男女の生活と意識に関する調査」によると、婚姻関係にある女性がセックスに積極的になれない理由で最も多いのは、「面倒くさい」でした。

女性がセックスに積極的になれない理由(第8回 男女の生活と意識に関する調査 より)
  • 面倒くさい(22.3%)
  • 出産後何となく(20.1%)
  • 仕事で疲れている(17.4%)
  • その他(13.0%)
  • 現在妊娠中、出産後すぐだから(10.3%)

「面倒くさい」「出産後何となく」の背景には、「仕事で疲れている」を含む様々な感情があると推測できます。例を以下にあげてみます。

忙しさよる疲労
共働き世帯の増加などにより、仕事と家庭の両方で忙しい日々を送る中で、セックスをすること自体が負担に感じられることがあります。

出産後の身体の変化
出産後のホルモンバランスの変化が性欲の低下につながることがあります。また、出産による身体的な影響から回復する過程にあり、不快感や痛みを感じる可能性があります。 他にも、新生児の世話は非常に労力を要し、睡眠不足や疲労が蓄積しやすくなります。新しい役割への適応や不安、ストレスなどの心理的要因も影響します。

感情的なわだかまり
夫婦間の感情的なスレ違いやわだかまりが、セックスに対する意欲を減退させることがあります。

妻に疲労について聞いてみて下さい。夫が感じる妻の疲労と、妻自身が感じている疲労は質が異なるかもしれません。

仕事(家事・育児を含む)量の多さによる身体的な疲労、分担の不公平さによる心理的な疲労、それらを理解してもらえない孤独感など、疲労には質の違いがあります。身体的な負荷が高くても、パートナーに理解されている実感があれば、心理的な疲労は軽減されることがあります。

自分を理解してくれない相手に求められるのは、ただストレスなだけかもしれません。

楽しくない
セックスが楽しくなくなった原因は、コミュニケーション不足や夫の独り善がりなセックスによるものかもしれません。

セックスについての感情や不満を率直に話し合います。お互いの望みや期待を理解し、共感を示します。パートナーの欲望やニーズを優先し、お互いに満足できる方法を見つけます。セックス中にお互いのフィードバックを積極的に受け入れ、改善点を探ります。

夫婦の親密さが低下しているのかもしれません。日常的に感情や考えを共有する習慣をつけます。お互いの気持ちを理解し共感します。デートやロマンティックな活動を通じて、感情的なつながりを強化します。セックス以外の親密な接触やスキンシップを増やします。

不快感や痛み
痛みは女性がセックスを避ける原因の上位にあげられます。痛い行為を避けたいのは自然な反応です。夫のセックスが雑になっているのかもしれません。

パートナーに不快感や痛みについて率直に話し合います。どのような状況や行為が痛みを引き起こしているのかを具体的に伝えます。

痛みの原因が身体的なものである場合、婦人科医や専門医の診察を受けます。感染症や疾患、ホルモンのバランスの問題など、医学的な要因を確認します。自然な潤滑が不足している場合、適切な潤滑剤を使用します。

夫婦でセックスに関する本や資料を読み、技術や知識を向上させます。これにより、お互いにとってより快適な方法を見つけやすくなります。セックス前にリラクゼーションの方法を取り入れ、緊張を和らげます。例えば、マッサージや深呼吸などです。

経済的な不安やストレス
不安を抱えた状態では、セックスに気持ちが向かわないことがあります。

あげた要因のすべておいて、最初の一歩は率直な話し合いです。しかし、上手くいかない経験を積み重ねると、コミュニケーションがむずかしくなります。お互いが感情的になり、水掛け論や堂々巡りに陥ってしまいがちです。

そのようなときは、夫婦カウンセリングが有効です。夫婦カウンセラーは専門的な知識と技術によって、会話が建設的な方向へ進むサポートを提供します。お二人の間に立って、水掛け論や堂々巡りに陥らないようにコントロールします。

感情的、堂々巡りに陥りがちな会話も、カウンセラーが参加することで、相手の考えを落ち着いて聴き、自分の考えを穏やかに話すことができます。

当カウンセリングルームでは、セックスレスの改善を目指すカウンセリングを承っております。詳しくは以下のページをご覧下さい。

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